もっともっと、錆に強い、

断熱に優れた鉄板をインドへ

Episode 01

~インドの工場建屋に耐食性に優れた

鋼板納入を成し遂げる~

写真はイメージです。

21世紀の初頭。インドの工場建屋はまだまだ亜鉛鉄板で作られていました。所謂トタン板です。日本でも時々みかける、銀色して、花がさいているような表面の鉄板、見覚えあると思います。中には、茶色く錆びて、穴まであいてしまっているものもありますね。


やはり雨には負けて錆びてしまうのです。

そんな亜鉛鉄板より、もっともっと錆びに強い日本の鉄板をインドに紹介しようと思いたちました。それが耐食性・耐候性に優れ、高遮熱性をあわせもつアルミめっき鋼板でした。少々お高い素材でしたが、その期待できる効果を粘り強く説明、お客様の工場建屋の屋根・壁に採用していただけることになりました。

*1
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しかし、その後が大変。現場の施工業者にとっては始めての鋼板で、その施工ノウハウが十分になかった為、当社駐在員・日本からの技術担当出張者が、日本のメーカーの支援に基づいて、現場に張り付いて、施工指導にあたりました。単に商品を右から左に流すことだけでなく、お客様がよりよく使用できるようにサポートできるのも弊社の強みです。

また、ご存知のように、インドはとても暑い国です。いくらかでもその暑さを軽減できるように、断熱サンドウィッチパネルもご紹介しました。カラーガルバリウム鋼板二枚の間にウレタン素材の断熱材をはさみこみ、断熱性・強度・防耐火性・耐久性を実現しました。本商品もアルミめっき鋼板の更なる進化系として、お客様のご理解を得て、受注にいたりました。

インド・ハリヤナに建設された鉄骨組み立て工場の屋根、外壁にアルミめっき鋼板が採用されました。(*1)サンドウィッチパネルがスチールサービスセンターの事務所棟に採用されました。(*2)事務所内の快適さと省エネ効果に高い評価をいただきました。

この事務所棟の建設に、現地当社駐在員と日本からの出張者(営業ウーマン)が3週間ほど現地に泊まり込み種々難題に取り組みました。最終日の現場の作業員の方々と記念撮影。彼女の笑顔が素晴らしい。

いうまでもなく、現地納入から施工まで充分にフォローすることで高い評価を得ることができました。OHMIの印象深く、忘れがたい成功体験です。

アジアの現地自動車メーカーへの

鋼板納入をやり遂げる

Episode 02

~数年かけてアジアの自動車メーカーに

日本製の鋼板納入に成功~

いずれもイメージです。

今から20年以上前、少なからずお付き合いのあったアジアの現地の自動車メーカーからかつて同国向けに日本からの鋼材(自動車部品下請け用を含む)輸出実績があった弊社にお願いがやってきました。
乗用車生産の歴史も浅く、剛性・耐食性の改善が急務で、日本からの鋼板の調達によって何とかしたいという想いから当社にすがってきたのです。それまでの私たちの事業は主に「住」にかかわるもので、自動車用鋼板に関する知見が十分でなく、また技術部門も満足にないことから、日本の鉄鋼メーカーに支援を仰ぐことになり、日本の鉄鋼メーカーは当初、供給責任を問われる自動車向け鋼材の輸出に二の足を踏んでいましたが、弊社からの熱心な依頼に動かされ、先ずは鉄鋼メーカーから技術者を派遣して自動車メーカーから直接話をしていただく事にこぎつけました。

それからが大変でした。まずは現地の自動車メーカーが抱えている課題を明確にするために、何度も何度も現地の工場に足を運び、それを日本にフィードバックすることから始まりました。その後日本から具体的な改善ポイントを明示した対策材を提案、そしてテスト材を納入、場合によっては2度、3度のテストが必要になり、試行錯誤を2年も3年も繰り返しました。

最終的にはお客様が満足する自動車用鋼板を納入することに成功、実際自動車性能も期待通り改善しました。今でもその鋼板への信頼は高く、採用され続けています。私たちの仕事に取り組む真摯な姿勢、粘り強さはお客様、日本の鉄鋼メーカーから高く評価され、今ではこのビジネスは大きく成長し、私たちの会社の貴重な財産になっています。

OHMIの力で、

日本からインドへの定期配船実現!

Episode 03

~物流問題をも解決する

OHMIの粘り強い交渉力~

*コンテナバンニング写真

インドへの鋼材輸出に尽力し、その数量を増やしてきた日本の鉄鋼メーカーと当社が直面した課題が日本からインドへの物流問題でした。

1990年代、日本の製鉄所から東南アジアの国々や北米向けにはまとまった鋼材輸出数量があったことから、毎月、製鉄所の岸壁で在来船(いわゆるバラ積み船)に積み込んで、仕向国の港に直接運んでいくという仕組みが出来上がっていました。残念ながらインド向けは数量が少量であったため、製鉄所から神戸や横浜の公共港にトラックや艀で運んで、コンテナに詰め込んで出荷するという手間もかかるは、コストもかかる輸送方法に頼るしかありませんでした。数量が数十トンであれば大したことではありませんでしたが、千トン単位になるとその作業は膨大なものになり、コスト競争力に影響しました。コンテナの手配、積み込み作業の指示、コンテナ船のスペースの確保等々、私たちは悪戦苦闘しておりました。

そして、私たちが、良質で安価な鋼材をインドの皆様にお届けするという本来の目的に逆行するものでした。そこで私たちの力で、製鉄所の港からインドへの直接船を配船できないかと考え、鋼材を主な積み荷とするいくつかの船社の皆様と交渉を開始しました。
当初、船社の皆様の反応は、けんもほろろ、取り付く島のない状況でした。

『インド向けの鋼材がまとまって、毎月定期的に出荷される? 信じられない!』
「オーミさんどうして保証できるの?」という冷たいものでした。

*在来船船積み風景

それから私たちの説得が始まりました。お客様の状況 ①お客様の名前を紹介して、必ず毎月鋼材を使用する製造業であること ②今後更に成長して、その数量が増えていくこと ③それまでの実績 等々を伝えて、真剣にとりあげてくれるまで、船社のオフィスに何度も何度も運びました。2年はかかったでしょうか、漸く一つの船社が、私たちの声に耳を傾けてくれるようになり、2000年頃から、定期的な在来船の配船を実現することが可能となりました。今でもほぼ毎月日本の製鉄所からインド向けに船は出航しています。